
住宅ローン金利が上がる今、家づくりをどう考えるか
2026年6月に入って、フラット35の金利が3%台に入ってきました。このニュースに、少しそわそわしている方も多いんじゃないでしょうか。
今回のVoicyでは、金利上昇を受けて、家づくりとお金の考え方をあらためてお話しします。
「金利が高い」だけで判断すると見えなくなること
金利が上がると、つい「いまは時期が悪い」「もう少し待とう」という気持ちになりますよね。その気持ちは、よくわかります。
ただ、金利という一点だけを見て家づくりを止めてしまうのは、いまの時代だとかなり危険なんです。
理由はシンプルで、いま動いているのは金利だけじゃないから。物価も、土地も、建築費も、家賃も、給料も、それぞれ連動するように動いています。その全体を見ないまま金利だけで判断すると、判断そのものがズレてしまう。まずはそこをお伝えしたいです。
デフレの感覚のまま家づくりを考えない
「借金はなるべくしたくない」「利息はもったいない」「現金を持っているほうが安全」「待っていれば安くなる」。こういう感覚は、長く日本で暮らしていると自然と身についていますよね。
ただ、これは物価も給料も土地もほとんど上がらなかった“デフレの時代”の考え方なんです。何もかもが上がらない世界では、じっと現金を持って待つことが賢く見える。そういう時代でした。
私たちはこれを、半分冗談で「デフレの呪い」と呼んでいます。何かあるとつい、この考え方に戻ってしまうんですよね。だからこそ、ここを一度ほどいてから家づくりに入っていただきたいんです。
物価上昇は「去年より少し上がった」だけで見ない

金利は、とにかく目立ちます。数字でパッと出て、高い・安いがわかりやすい。だからどうしても、そこに目がいってしまうんですよね。
でも、金利だけを見るのは、時計の秒針だけをじっと見つめて「いま何時か」を当てようとするようなもの。秒針は動きが速くて目につきますが、それだけでは全体の時間はつかめません。長い針も、短い針も見て、はじめて「いま何時か」がわかりますよね。
お金の話も同じで、金利のほかにも見るべき針がたくさんあるんです。そこをあわせて見ていただきたいところです。
ニュースでよく「前年比プラス何%」という言い方を耳にします。これは去年の同じ月と比べてどれだけ上がったか、という数字なんです。
だから「今年の物価上昇は1%くらい」と聞くと、「あれ、もう止まったのかな」と感じる方もいます。でも、止まったわけじゃなくて、上がるスピードが落ちただけ。時速100キロが30キロになったようなもので、前へは進み続けているんですよね。
実際、食料品などは、数年前と比べてかなり上がったと感じる方も多いはずです。なんとなく「2割くらいかな」と思っていても、実際はもっと上がっている。お金そのものの価値が、じわじわ変わってきているんです。
物価が上がる時代は、利息の見え方も変わってくる
ここで、ひとつの考え方をお伝えします。
物価が3%上がるということは、裏を返せば、いま持っている現金の価値が3%下がるということ。そして同じように、借りたお金の価値も3%ぶん軽くなっていきます。
その状況で利息が0%から3%になっても、目減りするお金の価値とおおよそ釣り合ってくるんですよね。感覚としては、実質ゼロ金利に近い 、という見方もできます。厳密には少し違うんですが、ざっくりした目安としては、そう大きく外れてはいません。
「利息が3%もついた、高い、もったいない」——そこだけで判断してしまうと、この全体のバランスが見えなくなってしまうんです。
利息以外に「上がるもの」も、数えてみる

金利が上がったことばかり数えていると、不安はいくらでもふくらみます。だから逆に、これから上がっていくものも一緒に数えてみてほしいんです。
たとえば、土地や建物の資産価値。私たちオーパススタイルが建てるような、耐久性が高く高性能な住まいは、価値が下がりにくく、場合によっては上がっていく可能性もあります。
家賃も、いま上がってきていますよね。賃貸に住み続けるなら、その家賃も上がり続けていく。給料も、インフレのなかでは少しずつ動いていきます。
上がるものは、ちゃんとあるんです。そこも合わせて見れば、辻褄は意外と合ってきます。
金利を避けたつもりで、もっと大事なものを失うこともある

そしてもうひとつ。「いまはやめておこう」と先延ばしにしているあいだに、自分や家族の状況のほうが変わっていくこともあるんです。
たとえば、数年後に体調が変わって、住宅ローンが組みにくくなることもある。お子さんと新しいお家で過ごせるはずだった時間は、あとから取り返せません。金利を避けたつもりが、もっと大切なものを手放してしまう——そうなってしまう可能性も、ゼロじゃないんですよね。
住宅ローンは「未来の住居費を、いまの金額で固定するチケット」
ここがいちばんお伝えしたいところなんです。住宅ローンは、銀行に利息を払うためだけの商品じゃありません。
これからの住まいにかかる費用を、いまの金額でぎゅっと固定してしまう。その“時間を固定するためのチケット代”が、利息です。
物価が上がっていく時代には、利息がついているのはむしろ自然なこと。だからこそ、いま固定できるものは固定しておく、という考え方が効いてくるんですよね。
もちろん、「だから無理してでも借りなさい」という話ではありません。ここは大事なところです。
返せない借金や、暮らしが立ち行かなくなる借金は、当然おすすめしません。返せる範囲で、余力もしっかり残しながら、家族に必要な住まいを手に入れる。そのための借り入れは、けっして悪いものじゃないんです。
本来なら届くはずのラインを、不安だけで大きく避けてしまうと、あとで後悔につながることもあります。金利が高いから建てない、ではなくて、いろいろなものが上がっていく前提で、もう一度落ち着いて考えてみてほしいんです。
住宅ローン金利が上がる今、家づくりをどう考えるか まとめ
▪️物価も土地も家賃も給料も、一緒に上がっていく
▪️物価が上がる分、利息の「重さ」も実は軽くなる
▪️上がるもの(資産価値・家賃・給料)も数に入れる
▪️待っているあいだに、時間や健康のほうが変わる
▪️住宅ローンは、未来の住居費を今の金額で固定するチケット
▪️無理は禁物。返せる範囲で、固定できるものを固定する
金利が上がってくると、どうしてもそこだけに目がいって、不安になりますよね。これからしばらくは、いろいろなところで強い言葉も飛び交いそうです。
でも、金利という一点ではなく、物価も、資産価値も、家賃も、給料も、家族と過ごす時間も——全体を見渡してみると、必要以上に怖がらなくていいことが見えてきます。まずは「デフレの呪い」を、少しほどくところから。お金の話は不安になりやすいテーマなので、これからもわかりやすくお伝えしていきますね。




