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実は、日本では世界で起きる地震の約20%が集中しています。これは地球全体のわずか0.25%しかない国土に対して、非常に高い割合です。2000年以降だけでも、震度6以上の大きな地震が何度も発生しています。特に心配なのが「南海トラフ地震」。この地震は、今後30年以内に80%の確率で起こると政府が予測している、とても大きな地震です。発生すれば、静岡県から宮崎県の一部で震度7の激しい揺れが起こる可能性があり、さらに関東から九州にかけての太平洋沿岸では、10メートルを超える大津波が押し寄せる恐れもあります。
地震で家が壊れてしまうと、命は助かってもその後、暮らしていくことができません。オーパススタイルでは、地震が起こった際にただ「命を守る家」だけでなく、「被害を最小限に抑え、安心して住み続けられる家」を建てることが重要と考え取り組んでいます。
日本では、家の地震への強さを耐震等級という数字で表します。1〜3の3段階があり、数字が大きいほど地震に強くなります。
耐震等級 | 強さの目安 | 内容 |
1 | 最低限の基準 | 震度6〜7の地震に一度だけ耐えられる設計 |
2 | 耐震等級1の1.25倍の強度 | 震度6〜7の地震+ある程度の余震に耐えられる設計 |
3 | 耐震等級1の1.5倍の強度 | 複数回の大地震にも耐えられる設計 |
また、耐震等級の計算方法は、一般的に以下の3種類があります。
計算方法 | 内容 |
建築基準法の仕様規定 | 最低限満たすべき構造の基準。 壁量や配置を建築基準法に定められた基準に当てはめて確認する簡易的な方法。 |
性能表示計算 | 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度における耐震性能の評価方法。 壁量・床倍率・接合部の仕様などを数値で評価。部材ごとの力のかかる数値までは計算しない。 |
許容応力度等計算 | 柱・梁・接合部など、すべての構造部材にかかる力に対して、安全に耐えられるか計算。 最も正確で信頼性の高い方法。 |
このように、どの計算方法で求めたかによって、同じ耐震等級でも実際の強さや信頼性が変わります。オーパススタイルでは、最も信頼性の高い「許容応力度等計算」を行なった耐震等級3の取得を全棟実施しています。
耐震等級を上げるためには、「壁倍率(=壁の強さ)」を高めるなどして建物の剛性を強くする必要があります。しかし、建物を硬くすればするほど、特定の地震の揺れと「共振(きょうしん)」しやすくなるのです。
「共振」とは、地震の揺れ方にある「速い揺れ」「ゆっくりした揺れ」などの揺れのリズムと建物の揺れ(固有周期)が一致して、建物も大きく揺れてしまうことです。
耐震等級3は、一般的な地震にしっかり耐えられる強さがあります。ただし、速い揺れが来た際は、共振によって建物が想定外の大きな揺れを発生することがあります。
つまり、耐震等級4や5が理論上できても、建物の揺れがより大きくなってしまう危険性があるため、現実的には難しいのです。
耐震に加え、より「地震に強い家」にするための地震対策には、主に4つの方法があります。
対策名 | 説明 | メリット | 注意点 |
耐震×耐震 | さらに壁倍率を上げる方法 | 構造が強くなる | 共振が増大するリスクあり |
耐震×免震 | 建物と地盤の間に絶縁する装置を設置 | 揺れを大幅に軽減できる | 高価/設置条件が必要 |
耐震×減震 | 滑りやバネなどの仕組みで揺れを分散・減速させる | 揺れを軽減できる | 地盤や構造によって効果が限定的な場合もある |
耐震×制振 | 制振ダンパーなどの装置で揺れを吸収・抑制する | 揺れや建物の損傷を軽減できる | 装置選びが重要 |
オーパススタイルがこの中で、「耐震×制振」の組み合わせをおすすめしています。制振ダンパーという装置を取り付けることで、地震のエネルギーを吸収し、家へのダメージを減らすことができるのです。
種類 | 特徴 |
ゴムダンパー | 構造を強くする(壁倍率が上がる) 制振装置だが、耐震性能を高めることもできる 倒壊防止が目的で、大きな揺れのときに効果を発揮 初期の小さな揺れには反応しにくい |
オイルダンパー | 初期の小さな揺れから幅広い揺れに作動する 壁倍率を上げない(壁を硬くしない)ため、共振リスクを抑えられる 揺れを吸収して損傷を防ぐ |
つまり、ゴムダンパーは「建物が倒壊しない」ため、オイルダンパーは建物の損傷を防ぎ「住み続けられる家」を実現するための制振ダンパーと言えます。オーパススタイルでは、家族と家を守り、いつまでも安心安全に暮らせる家を建てたいと考え”オイルダンパー”を採用しています。
ウィンダンパーは、地震の揺れを最大で約50%も軽減でき、建物へのダメージを大幅に抑えることができます。その結果、家の損傷を最小限に抑えて、家族の安全を守ることができます。
特長的なのは、0.1度というごくわずかな変形から作動する仕組みであること。小さな揺れの段階から働きはじめ、建物が大きく揺れる前に“ブレーキ”をかけてくれるようなイメージです。余震が続く場面でも繰り返し効果を発揮してくれます。
また、ウィンダンパーはオイルダンパーとして業界トップクラスの減衰力(=揺れを抑える力)を備えており、非常に効率よく揺れを吸収して、建物の安定性を保ちます。
ゴムダンパーには倒壊防止を目的としているため、建物が大きく変形しないと作動しないものもありますが、ウィンダンパーは地震の初期段階からしっかりと機能します。
オーパススタイルではウィンダンパーを導入する際に、限界耐力計算も一棟ごとに実施。図面をもとに耐震診断と補強計画を作成し、建物全体の安全性を数値に基づいて評価します。その結果を踏まえて、ダンパーの本数や配置を最も効果的な形で設計しています。
ウィンダンパーは、日本の住宅を前提に開発された国産の制振ダンパーです。建物の構造に無理なく納まる45mmのサイズで、日本の木造住宅に合わせて設計されています。海外製のダンパーは大きさや規格が異なることがあるため、取り付けに手間がかかることもありますが、ウィンダンパーならその心配がありません。
ウィンダンパーはドイツ製などの輸入品と比べて価格が1.5倍以上お手頃。性能が高くても、コストが高すぎては採用されません。だからこそ、オーパススタイルでは、価格と性能のバランスを重視しています。
ウィンダンパーは、設計寿命60年・メーカー保証20年と、長期使用にもしっかり対応しています。「オイルが劣化してしまうのでは…?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、内部のオイルは空気に触れないよう密閉構造で保護されており、酸化による劣化を防ぐ設計になっています。さらに、使用されているオイルシール(パッキン)には特殊素材が採用されており、耐久性も高く、長年にわたって安定した性能を維持できます。そのため、長く使っても性能が落ちにくく、安心してご使用いただけます。
オーパススタイルでは、構造躯体にシロアリや腐れから守る処理をされた「緑の柱」を使ったハウスガードシステムを採用しています。これにより、劣化しない耐久性の高い家となり、地震が起きても壊れにくい家となります。
これまでご紹介した3つの地震対策を組み合わせることで、ただ「倒れなかった」ではなく、「これからも住み続けられる」地震強い家を建てることができます。
対策 | 役割 |
耐震等級3 (許容応力度等計算) |
耐震等級1の1.5倍の強さを持ち、繰り返し起こる大地震にも耐える、地震対策の基本 |
ウィンダンパー (オイルダンパー) |
建物の揺れを吸収し、損傷を防ぐ制振装置。 限界耐力計算を行いダンパーの本数や配置を最も効果的な形で設計。 共振リスクの軽減にも効果的 |
緑の柱 | 防腐・防蟻処理された木材で、構造体の劣化を防ぎ、耐久性の高い家を実現 |
Q. どの会社も地震対策を行なっており、迷ってしまいます。
A. ポイントは地震対策について、「どれだけきちんと考え、こだわっているか」です。たとえば、耐震等級3が標準仕様かどうか、許容応力度等計算を行っているか、さらに制振などの+αの対策まで提案されているかを確認してみてください。そして、その地震対策に至った理由や背景、構造や設計の考え方を丁寧と説明してくれる会社は、きっと信頼できるパートナーになるでしょう。
Q. ウィンダンパーは、本数を増やせば増やすほど地震対策効果も上がるのでしょうか?
A. そうとは限りません。大切なのは、「どこに・いくつ」取り付けるかです。オーパススタイルでは、限界耐力計算をもとに、建物の構造に合わせてウィンダンパーの最適な本数と配置を設計しています。
Q. ウィンダンパーンパーは、定期的に点検や交換が必要ですか?
A. 基本的にメンテナンスフリーです。ウィンダンパーは高性能なオイルシール構造により、長期間劣化しにくく、オイル漏れがなければ設計寿命60年を超えても使い続けられます。ただし、大きな地震の後や、設置から長い年月が経過し不安な場合は、念のため施工会社にご相談してください。
Q. 築30年です。今の家の耐震が不安です。”地震に強い家”にリフォームできますか?
A. もちろんです!今お住まいの家でも、地震に備えたリフォームが可能です。オーパススタイルでは、新築住宅だけでなく、既存住宅を対象とした耐震補強や制振装置の設置にも対応しています。地震に強い住まいにしたいとご検討の方には、リノベーション専門サイトをご覧ください。