
今回は、家づくりの「高い・安い」をどう考えるかという話です。
オーパススタイルでは「これって、タダだよね。」という言葉が時折出ますが、これは高いものを無理やり安いと思い込むための理屈ではありません。
大事なのは、払った金額だけを見るのではなく、その価値がどれだけ長く続くのかを見ることです。一度お金を払って、そのものを長い時間使い続けられるなら、時間で割って考えてみる。反対に、最初は安くても短い期間で使えなくなり、何度も買い替えたり修繕したりするなら、本当に安かったのかは分かりません。
家に置き換えると、さらに分かりやすくなります。
もし20年、30年しか持たない家を建てて、住宅ローンを40年組んだとしたら、家を使えなくなったあとも支払いだけが残ってしまいます。
反対に、住宅ローンを払い終えたあとも、その家で暮らし続けられるなら、それは最高です。
オーパススタイルが考えているのは、単に「高い家を買った方がいい」ということではありません。
高いだけのものはダメです。
見るべきなのは、買うときの価格だけではなく、その先にどれだけ価値が続くのかということです。
たとえば床です。
安い床を選んで、15年、20年で全面交換することになれば、60年住む間に何度も交換することになります。
選ぶ瞬間だけを見れば「安くていい」と思えても、長い時間で見ると、ずっと更新し続けることになる。これを「更新型サブスクみたいなもの」と話しています。
タダでもらった家具も同じです。
使わないまま置いておけば保管する場所が必要になり、最後には処分費がかかることもある。タダでもらったのに、結果としてお金を払うことになります。
家の中の、ほとんど使わない部屋や場所も同様。
その面積をつくるための建築費がかかり、空調にもお金がかかる。面積が増えれば、固定資産税の負担も増えます。
だから、家づくりでは「安く買えたか」だけではなく、「その後まで含めて安く済むのか」という見方が必要です。支出を避けることと、損を避けることは同じではありません。

オーパススタイルでは、家の値段には3つの値札があると考えています。
・1つ目は、家を建てるときに払う値札
・2つ目は、住み始めてから修繕やランニングコストとして払う値札
・3つ目は、家を建てるか迷っている間に、良い暮らしを先延ばしにした「時間の値札」
商品を買って失敗したときは、請求書や領収書があるので失敗が分かりやすい。
一方で、「買うのをやめた」「もう少し待とう」という判断で損をしたとしても、その損には請求書が来ません。
たとえば、家を建てるのを5年先に延ばせば、その間も家賃を払い続けます。そして、家族と新しい家で暮らせる時間も5年短くなります。
こうした損は目に見えにくい。
お金だけではなく、家族の時間も止まらずに進んでいるからこそ、「今はお金を使わなかったから損をしていない」とは限らないということです。

ここで勘違いしてほしくないのは、予算を上げればいい、住宅ローンをたくさん借りればいい、という話ではないことです。
大事なのは、借金の質を見分けること。
「高い家を怖がらなくなったから、お金の価値観が変わった」ということではありません。
返済中も家計を壊さず、家族の自由をちゃんと残せること。そして、住宅ローンを払い終えたあとも、その家が長く家族の暮らしを支え続けてくれること。
そこまで考えて初めて、家づくりにとって良い借金なのか、悪い借金なのかを判断できます。
そして、もう一つ大事なのが、お金の「配分」です。
総額が上がったか下がったかだけではなく、自分たちにとって長く価値が残るものに、どれだけお金を配分するのか。
安いものだから選ぶ。
高いものだから避ける。
その物差しだけではなく、このお金は、これから先どれだけ働き続けてくれるのか」「という視点まで持つことが大切です。
家づくりでは、目の前の価格だけを見ると「高い」「安い」は分かりやすく見えます。でも、「安い家」と「安く済む家」は、同じではありません。
家づくりのお金を考えるときは、今までの高い・安いという物差しだけではなく、その価値がどれだけ長く続くのかまで見て判断する。
今回の内容は、Voicyでも詳しく話しています。
気になる方は、ぜひ音声でも聞いてみてください。

2006年入社から家づくり一筋。資産活用の視点と注文住宅営業で300件以上の経験を活かし、不安や迷いに寄り添う“家づくりのパートナー”。性能や素材を総合的に考え、「どんな暮らしをしたいか」を一緒に描き、最適な提案を行う。VoicyやYouTubeでも発信中。