
家具は、家の中に置く「物」だけではない
今回は、家づくりと家具の関係についてお伝えします。
オーパススタイルでは、家具も家づくりの大切な一部だと考えています。どんな椅子を選び、どこに置くかによって、その場所での過ごし方が変わるからです。
そして、家具は高価であればいいというものでもありません。長く使えることや座り心地、使い続けるほどに生まれる愛着。その家具と過ごす毎日の時間まで含めて、自分たちの暮らしに合うものを選ぶことが大切です。
名作家具は、どうして高価なの?

家づくりをきっかけに、家具に興味を持つ方もいます。ただ、いざ選ぼうとすると、何がいい家具なのか、ほかと何が違うのか、なかなか分からないものです。
椅子一脚10万円、20万円と聞けば、「そんなにするの?」と驚くのも自然なこと。
もちろん、価格が高ければいい家具とは限りません。ただ、名作家具の価格には、材料だけでは説明できない理由があります。
まず、使われる素材。いい材料を選べば、それだけ費用もかかります。
さらに、座り心地、強度、美しさ、使いやすさ。そのすべてを形にするために、設計者は試作を重ね、職人は一つひとつの工程に手をかけます。
たとえば、有名なYチェア。製作には100以上の工程があり、座面を編むのも手作業です。
すっきりとした美しい姿からは想像しにくいほど、多くの時間と技術が注がれた一脚。
設計者が長い時間をかけて考えてきたこと、その思いを形にする職人の仕事。そうした背景を知ると、家具の価格も違った角度から見えてきます。
名作家具には、長く使うほど深まる価値がある
名作家具の魅力はの1つに、長く使えることが挙げられます。
ただ丈夫なだけではなく、傷んだ部分を修理したり、座面を張り替えたり。手を入れながら何十年も使い続けられる家具があります。
仮に20万円の椅子を30年間使ったら、1日あたり約20円。修理費などを含まない単純計算ですが、毎日使うものとして考えると、購入時の金額だけでは見えなかった価値が出てきます。
そして、長く使うことで生まれるのが愛着です。使いやすく、長持ちする。それだけでなく、持っていること自体がうれしい。名作家具には、そんな魅力もあります。
大切に手入れを続ければ、子どもや孫の世代へ受け継がれる可能性もあります。
購入価格に目を向けるだけではなく、その先の何十年をどう過ごせるか。これは、オーパススタイルの家づくりにも通じる考え方です。
建築家が家具まで設計する理由

有名な建築家たちは、建物だけでなく家具まで設計してきました。
それは、家具の形や置き方によって、空間の使い方や人の過ごし方まで変わるからです。
たとえば、建築家フランク・ロイド・ライトの背の高い椅子「ロビーチェア」。
食卓を囲むように配置すると、椅子の背もたれが周囲の空間を区切り、その内側にもう一つ小さな空間が生まれます。
座る人を支えるだけでなく、家族が集まる場所そのものをつくる役割も果たしているのです。
また、吉村順三 作の「たためる椅子」。
座り心地がよく、美しい。それでいて折りたたむことができ、持ち運びや収納もしやすい椅子です。
必要な時には窓辺へ移動させたり、使わない時にはたたんで片付けたり。家具の使い方に合わせて、空間の使い方まで変えられます。
建築家が家具まで考える意味は、こうしたところにも表れています。
建物をつくるだけでなく、そこで人がどんな姿勢で、どんな時間を過ごすのか。その暮らしまで含めて設計するという考え方です。
お気に入りの家具と一緒に考えたい照明

家具を考えていくと、照明にもつながります。
オーパススタイルでは、照明器具そのものの美しさに加えて、そこから「生まれる光」の両方を大切にしています。
たとえば椅子の横に置く照明なら、座った時に眩しくないか。本を読む場所なら、必要なところにきちんと光が届いているか。
また、同じ光でも、ビニールクロスと塗り壁では、壁に生まれる陰影の見え方が変わります。昼間、明かりを消している時にも、その器具を見て「素敵だな」と感じられるか。これも、照明を選ぶ時の大切な視点です。
夜、お気に入りの椅子に座って、そばの明かりをつける。そんな時間を思い浮かべると、家具と照明を一緒に考える意味も見えてきます。
名作家具は、まず一脚から始めてみる
ここまで名作家具の話をしてきましたが、家中を高価な家具で揃える必要はありません。
まずは一脚から。実際に座って、触れて、素材の感触や座り心地を確かめてみる。写真や価格だけでは分からない違いが、そこにはあります。
実際に、長年名作と呼ばれる椅子を愛用しているスタッフも、最初からその価値をすべて理解していたわけではありません。使い続けるなかで良さが分かり、ほかの家具にも興味を持つようになりました。
一ついいものを知ると、ほかの家具を見た時にも違いが分かるようになる。
違いが分かってから、選ぶか選ばないかを判断する。
名作家具を買うことが目的ではなく、自分たちにとって何が心地よいのかを知ることが大切です。オーパススタイルの見学会にも、実際に座っていただける椅子を置いています。家の間取りや素材を見るだけでなく、ぜひ家具にも触れてみてください。
椅子に座って窓の外を眺めたり、その場所での過ごし方を想像したり。家具を通して見ることで、家づくりにも新しい発見が生まれます。
家づくりで家具まで考える理由|まとめ
・長く使う価値:修理しながら使い続けられ、時間とともに愛着も深まっていく
・家具と建築の関係:家具の形や置き方によって、居場所や空間の使い方が変わる
・家具と照明:器具の美しさや生まれる光まで考えることで、過ごす時間が変わる
・家具選びの第一歩:まず実際に座り、違いを知ってから選ぶ
家具は、家が完成したあとに置くだけのものではありません。選び方や使い方によって、その場所での過ごし方まで変わる、暮らしに深く関わる存在です。
オーパススタイルでは、建物そのものだけでなく、そこで過ごす時間まで大切にしています。
今回の内容は、Voicyでも詳しくお話ししています。音声でもぜひお聴きください。



