
家づくりでは、最初に「主役」を考える
今回は、家づくりで間取りや設備、予算を考える前に決めておきたい「主役」についてお伝えします。
ここでいう主役とは、キッチンや収納といった設備のことではありません。
「この家で、何をしている時間を一番大切にしたいのか」その家族にとって、これから何度も繰り返したい暮らしの場面のことです。
オーパススタイルでは、この主役が決まることで、間取りや設備をどう考えるか、限られた予算をどこに使うかも変わってくると考えています。
家づくりにも「主役」が必要

家づくりを一本の映画に例えてみましょう。
映画には主役がいて、その主役を中心に物語が進んでいきます。ところが、主役級の登場人物ばかりを集めてしまうと、豪華ではあっても、結局何の物語なのか分かりにくくなります。
家づくりも同じです。
収納も増やしたい。キッチンもこだわりたい。庭も欲しい。家具や照明も好きなものを選びたい。どれも悪い要望ではありません。
ただ、それぞれを主役のように扱ってしまうと、家全体として何を一番大切にしたかったのかが見えにくくなります。
そこで考えたいのが、「この家の主役は何か」ということです。
これは、「収納とキッチンならどちらを優先するか」という優先順位の話ではありません。この家で、どんな時間を一番大切にして暮らしていきたいのか。まずそこを決めるということです。
主役が決まると、設計する内容がつながる

たとえば、「週に一度は家族で庭やデッキに出て、みんなでご飯を食べたい」という時間を主役にするとします。
すると、必要なのは単にデッキをつくることではありません。
・キッチンから料理を運びやすいか。
・外からの視線を気にせず過ごせるか。
・夏の日差しはどう遮るか。夜はどんな明かりがいいか。
・外で使う椅子や道具はどこにしまうか。
一つの「過ごしたい場面」から考えることで、動線、庭、窓、日射、収納、照明まで自然につながっていきます。部屋の広さを確保して並べるだけではなく、実際にそこでどう過ごすのかまで考えて形にしていく。これが設計の醍醐味です。
一つの要望だけを叶えても、暮らし全体が良くなるとは限らない
家の中にあるものは、それぞれが独立しているわけではありません。
たとえば収納を増やせば、その分、窓の位置や座れる場所が変わることがあります。移動しやすさを重視して通路を増やせば、便利になる一方で、ゆっくり落ち着ける場所が減るかもしれません。
つまり、一つの要望を良くしたことで、別の大切なものが弱くなることがあります。
だからこそ、「この家の主役は何か」が大切になります。収納を増やすこと自体が良いか悪いかではありません。その要望が、主役となる暮らしを支えるものなのか。そこまで考えて判断していくことが大切です。
要望を減らすためではなく、それぞれの要望が何のために必要なのかを整理するために、主役を決めます。
主役が決まると、予算をかける場所も変わる
家づくりでは、すべての要望に同じだけ予算をかけることはできません。
だからこそ、先に主役を決めておくことが重要です。たとえば、
・家族で食卓を囲む時間が主役なら、ダイニングテーブルや椅子にしっかり予算を使う。
・料理をする時間そのものが主役なら、キッチンに予算をかける。
・庭で過ごす時間が主役なら、建物だけで予算を使い切らず、庭や外部空間にも残しておく。
同じ総予算でも、何を主役にするかによって、お金をかける場所は変わります。予算を決めてから主役を変えるのではなく、まず主役を決める。 そのうえで、主役をできるだけ崩さないように、周りを調整していく。この順番で考えると、何を残し、何を変えるのかも判断しやすくなります。
主役は「何度も繰り返したい場面」から考える
では、自分たちの家づくりの主役は、どう見つければいいのでしょうか。
一つのヒントは、「この家で、何度も何度も繰り返したい場面は何か」を考えることです。
・家族で食卓を囲む時間かもしれません。
・庭で過ごす休日かもしれません。
・料理をする時間や、窓辺でゆっくり過ごす時間かもしれません。
長く暮らす家だからこそ、一度だけ実現したいことよりも、日常の中で何度も繰り返したい場面を考える。そこが見えてくると、その後の間取りや設備、予算の決め方も変わってきます。
家づくりの「主役」を決める|まとめ
・主役が決まると、動線や庭、窓、収納などの設計がつながる
・一つの要望だけで判断せず、家全体への影響まで考える
・予算は、主役をできるだけ崩さないように配分する
・「何度も繰り返したい場面」を考えると、主役を見つけやすい
家づくりでは、間取りや設備を一つずつ考える前に、「この家で何をしている時間を一番大切にしたいのか」を決めることが重要です。
オーパススタイルでは、間取りや設備を先に決めるのではなく、そのご家族がどんな時間を大切にしたいのかを考えながら家全体を設計していきます。
高いか安いか、広いか狭いかだけではなく、「この家で、どんな時間を重ねていきたいのか」そこから考えることで、そのご家族らしい家づくりにつながっていきます。
今回の内容は、Voicyでも詳しくお話ししています。音声でもぜひお聴きください。



