
今回はセルロースファイバーの「蓄熱」の話をします。
蓄熱というのは、材料が熱を受け取って、自分の温度を上げながら一時的に保持することです。
ガッツリ預かって返すわけではない。
ちょっと預かって、後からちょっと返す。
この「ちょっと」が、家ではけっこう効いてくるんです。
ただ、勘違いしないでほしいのは、セルロースファイバーは断熱材であって、蓄熱材ではありません。
コンクリートや土壁のような蓄熱材と比べると、蓄えられる熱量はわずかです。
でも断熱材の中では、熱容量がかなり大きい。
グラスウールの6倍くらい。
ロックウールの2倍くらい。
蓄熱の部分でセルロースファイバーに勝てるものがあるとすれば、ウッドファイバーくらいかなと思います。

蓄熱を語るときは、比熱、密度、厚みで見ます。
セルロースファイバーは、比熱と密度の両方が大きい。
特に密度は、僕らも施工でこだわっています。
パンパンパンに吹いています。
たとえば夏、外からの熱は壁や屋根を通って室内に入ってきます。
その熱を消すわけではありません。
セルロースファイバーが途中で少し受け止めることで、熱の山が一気に大きくなるのではなく、丘ぐらいになる。
急激さを小さくするんです。
熱が室内に届く時間も遅れるので、冷房の負担が大きくなる時間帯を後ろにずらせる。
室内の壁や天井、床の表面温度の変化も緩やかになる。
暑い、寒いと感じるのは、気温だけではなく、この表面温度とも関係します。
短時間で環境が変わるときにも、セルロースファイバーは粘ってくれる。
いい意味で、変化にどんくさいんです。
冬は冬で、中の熱を溜め込んでくれる。
冬も夏も、ちゃんと効いてくる。
家を1軒建てると、セルロースファイバーは1トンくらい入っています。
それが壁の中にいて、熱を通しにくくしながら、熱を少し受け止めてくれる。
最初に話したこの「ちょっと」が、毎日効いてくるんです。
セルロースファイバーをはじめ、オーパススタイルの家では、皆さんが見えないところでいろんな素材が頑張っているんです。
今回は、セルロースファイバーの蓄熱について話してきました。
蓄熱の話は、Voicyでもう少し細かく話しています。
壁の中で素材がどう働いているのか。
気になる方は、ぜひ音声でも聞いてみてください。

2006年入社から家づくり一筋。資産活用の視点と注文住宅営業で300件以上の経験を活かし、不安や迷いに寄り添う“家づくりのパートナー”。性能や素材を総合的に考え、「どんな暮らしをしたいか」を一緒に描き、最適な提案を行う。VoicyやYouTubeでも発信中。