
今回のVoicyは、少しドキッとするお便りから始まります。それは、「オーパススタイルの家に住んでいます。寒いです。なぜですか?」という内容。
性能にこだわって建てたはずなのに寒い。この一文だけを見ると、不安になりますよね。ただ、結論から言うと、家の性能そのものが原因ではないケースがほとんどです。実際に話しているのは、「高性能住宅でも、住み方を間違えると快適さは発揮されない」という点。
高性能な家は、何もしなくても勝手に快適になる魔法の箱ではありません。
きちんと“性能を活かす住み方”をすることで、はじめて本来の心地よさが出てきます。

実際によくあるのが、お風呂の窓を開けたままにしてしまうケースです。
昔の家では「お風呂は窓を開けて湿気を逃がす」が当たり前でした。その感覚のまま、高性能住宅でも同じことをしてしまう方が少なくありません。
ですが、断熱・気密が高い家でお風呂の窓を開けると、その空間は一気に“外と同じ状態”になります。
・せっかく暖めた空気が逃げる
・家の中に冷たい空気を呼び込む
・結果として「家が寒い」と感じる
さらに、窓を開けることで換気がしっかりできなくなることもあります。
換気は「閉めた状態」で機械換気を使うからこそ、正しく機能します。
寒さを感じている場合、まずはお風呂の窓を閉めているか。ここはぜひ一度、見直してほしいポイントです。
もうひとつ多いのが、家の中の扉をすべて閉めてしまう暮らし方です。
リビングでエアコンをつけていても、洗面や廊下、別の部屋の扉を閉め切っていると、暖かさが行き渡りません。すると、
「リビングはいいけど、他の部屋や廊下が寒い」
「家全体が暖まりにくい」
という状態になります。
オーパススタイルの家づくりは、家全体に熱がゆっくり広がり、逃げにくいことを前提としています。
だからこそ、
・できるだけ扉は開けておく
・暖かい空気を家全体に回す
この住み方が、結果的にエネルギーも抑えつつ快適につながります。
「エアコンは一台で家中過ごさないと」
「エアコンはできるだけ使わない方がいい」
こうした考え方で、無理をしてしまう方もいます。
でも、高性能住宅は我慢するための家ではありません。必要な場所には、必要な分だけエアコンを使っていい。
断熱・気密がしっかりしているからこそ、小さなエネルギーで十分に快適になります。扉を閉めて使う部屋があるなら、その部屋にはエアコンを。それでも消費エネルギーは、一般的な住宅よりずっと少なく済みます。

よくある誤解として、「高性能住宅=エアコンなしでも快適」と思われがちですが、これは違います。
断熱性能やパッシブ設計は、あくまで“熱源の効果を高める仕組み”。
エアコンや暖房があってこそ、その効果が家全体に広がります。
暑いのに冷房をつけない
寒いのに暖房をつけない
これでは、どんな家でも快適にはなりません。
もし「寒いな」「思っていたのと違うな」と感じたら、一人で悩まず、まずは相談してください。
住み方を少し変えるだけで、驚くほど快適になるケースは本当に多いです。高性能住宅は、正しい住み方を知ることで本領を発揮します。だからこそ、建てて終わりではなく、住んでからもサポートが大切。Voicyでは、こうした「住んでからの話」も今後しっかり伝えていきますよ。
家の性能を活かせるかどうかは、毎日の暮らし方次第です。せっかく快適さを求めて高性能住宅を建てても、住み方を間違えて、その良さを十分に感じられないのは本当にもったいないです。ぜひ正しい住み方を知って、住まいの快適さを実感してください。

2006年入社から家づくり一筋。資産活用の視点と注文住宅営業で300件以上の経験を活かし、不安や迷いに寄り添う“家づくりのパートナー”。性能や素材を総合的に考え、「どんな暮らしをしたいか」を一緒に描き、最適な提案を行う。VoicyやYouTubeでも発信中。