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第一種換気と第三種換気どちらを選ぶ?高性能住宅×愛知6地域での考え方|Voicy #366

空調が整った快適な部屋で過ごす家族

第一種換気と第三種換気、結局どっちを選べばいい?

今回は、換気システムの「選び方」についてです。
家づくりで断熱や気密を調べていくと、必ずといっていいほど出てくるのが「第一種換気と第三種換気、どちらを選べばいいの?」という疑問。

先日、パナソニックの換気ショールームを見学する機会をいただき、両者の違いを改めて体感してきました。その内容も交えながら、この疑問にオーパススタイルとして正面からお答えしていきます。

 

第一種換気と第三種換気の違いは「給気」の仕組み

第一種換気と第三種換気の図解|オーパススタイル

まず基本の整理から。第一種換気は、空気を取り込む「給気」と、空気を外へ出す「排気」の両方を機械で行う換気方式です。一方の第三種換気は、排気は機械で行いますが、給気は自然に任せる方式です。

項目 第一種換気 第三種換気
給気 機械 自然
排気 機械 機械
外気温の影響 熱交換で抑えやすい 受けやすい

第一種と第三種のどちらが優れているか、という話ではありません。仕組みが違う。ここが換気システムを選ぶときの出発点です。

 

第一種換気と第三種換気のコストは単純に比較できない

第三種換気は設備がシンプルなので、導入費用を抑えやすいのが特徴です。
第一種換気は給気と排気の両方にファンがあるぶん導入コストが高くなる傾向があり、機器を動かす電気代も必要になります。ただ、第三種換気は外の空気をそのまま取り込むため熱損失が生まれ、そのぶん冷暖房の負担が増えて電気代がかかることもあるんです。

項目 第一種換気 第三種換気
導入コスト 高くなる傾向 抑えやすい
ランニングコスト 機器を動かす電気代 熱損失を補う冷暖房の電気代

つまりランニングコストは「第一種の電気代」と「第三種の熱損失+冷暖房の負荷」の比較になり、ここは地域によって差が出ます。
また、実際の光熱費は、地域の気候だけでなく、機器の消費電力や熱交換効率、住宅の断熱・気密性能、冷暖房の使い方によっても変わります。

私たちが家づくりをしている愛知・岐阜南部は、省エネ基準でいう6地域という比較的温暖なエリアが多いです。この地域で比べるなら、第一種換気と第三種換気のランニングコストに大きな差が出ないため、第一種が多少有利になる場面がある、くらいの感覚です。

 

第三種換気は「窓を開けると換気計画が崩れる」

第三種換気の窓を開けた時、換気が計画どおりに働かなくなる図解|オーパススタイル

第三種換気は、排気ファンによって室内の空気を外へ出し、その力で給気口から外の空気を取り込む仕組みです。

ここでイメージしていただきたいのが、ストローです。ストローに穴が開いていたら、うまく吸えませんよね。家も同じで、計画していない場所から空気が入ると、換気が計画どおりに働かなくなります。窓を開けるという行為は、まさにこの「ストローの穴」にあたるんです。

窓を開けたからといって、排気ファンそのものが止まるわけではありません。ただ、排気口に近い窓から空気が入り、本来空気を通したい部屋まで十分に流れにくくなる可能性があります。

春や秋の過ごしやすい時期には、トイレやお風呂の小窓をつい開けたままにすることもありますよね。窓を開けている間は、風や室内外の温度差による自然換気も生まれます。一方で、その換気量は天候や窓の位置、開け方によって変わるため、いつでも安定して換気できるとは限りません。

第三種換気だから窓を開けてはいけない、という話ではないんです。窓を開けると、機械換気で計画している空気の通り道が変わる。その仕組みを知ったうえで窓を開けるのと、知らずに開け続けるのとでは、大きく違います。

 

「熱交換つき第一種換気」は室温を保ちやすい

第一種換気の捨てる空気から熱だけを回収し、新しく取り込む外気に移す熱交換機能がわかる図解|オーパススタイル

続いて第一種換気です。第一種換気は、給気も排気も機械で行う方式そのものを指しますが、その真価を発揮するのが「熱交換」を組み合わせたタイプです。まずはこの「熱交換」という言葉から、ご説明します。

換気とは、室内の空気を捨てて、外の空気を取り込むこと。このとき、せっかく冷暖房で快適な温度にした空気も、一緒に捨ててしまいます。熱交換とは、この捨てる空気から熱だけを回収し、新しく取り込む外気に移す仕組みです。

冬なら、冷たい外気を室温に近づけてから取り込める。夏なら、暑い外気の熱をやわらげてから取り込める。つまり、換気をしながらも室内の温度を保ちやすく、冷暖房の効率が落ちにくいということです。近年の夏の暑さを考えると、温暖な6地域であっても、この効果には一定の価値が出てきていると感じています。

もうひとつの強みが安定感です。給気も排気も機械がコントロールしているため、少々窓が開いても換気計画が崩れにくい。パナソニックショールームでも、その様子を確認できました。
一方で、第一種換気には避けられない前提があります。フィルターの掃除や交換といった定期的なメンテナンスです。フィルターには交換するもの、丸洗いできるものなど種類があり、決して大げさな作業ではないのですが、「これだけは続けてくださいね」というお願いは必要になります。

 

オーパススタイルの考え方:高性能住宅×6地域なら、こう選ぶ

断熱・気密がしっかりしていて、空調計画もきちんとされている高性能住宅であれば、6地域では第三種換気がコストバランスの良い選択になるオーパススタイルの施工事例

私たちの考えは以前から一貫しています。予算に余裕があるなら、熱交換つきの第一種換気がおすすめ。今回のパナソニックショールーム見学でも、その考えは変わりませんでした。

一方で、断熱・気密がしっかりしていて、空調計画もきちんとされている高性能住宅であれば、6地域では第三種換気がコストバランスの良い選択になる場合があります。実際、私たちの家づくりでも第三種を選ばれる方は多いんです。
だから判断の分かれ目は、方式の優劣ではなくここです。

・初期費用に余裕があり、フィルター掃除などのメンテナンスを続けられる方 → 熱交換つき第一種換気
・導入費用を抑えたい方、メンテナンスに自信がない方 → 第三種換気+「窓と換気の関係」の正しい理解

お客様によって、合う換気方式は変わります。それぞれの特徴と注意点を説明したうえで、その方に合う方法をご提案する。それが私たちの役割だと考えています。

 

換気は「入れて終わり」ではありません

もうひとつ、変わらずお伝えしたいことがあります。「第一種換気を入れたらOK」「全館空調が入っていれば大丈夫」ではない、ということです。

設備を入れた時点で安心して、そこで考えるのをやめてしまうケースが少なくありません。でも本質は、計画した空気の道を、実際の暮らしの中でどれだけ維持できるか。ここは換気方式が何であっても変わりません。

実際、お引き渡し後の定期点検でお客様からいただく質問は、換気の話がほとんどです。お引き渡し時に使い方のご説明はしていても、興味がないとなかなか頭に残らないもの。だからこそ、家づくりの段階で仕組みを知っておくことに価値があるんです。

 

まとめ|第一種換気も第三種換気も「正しく理解して選ぶ」が正解

・第一種換気は、給気と排気の両方を機械で行うため、空気の流れを管理しやすい
・熱交換つき第一種換気は、外気温の影響をやわらげながら換気できる
・第一種換気は、フィルターの清掃や交換など、定期的なメンテナンスが必要
・第三種換気は、仕組みがシンプルで導入費用を抑えやすい
・第三種換気は、窓を開けると計画している空気の流れが変わりやすい
・高性能住宅で換気計画や空調計画が整っていれば、6地域では第三種換気も選択肢になる
・大切なのは、住宅性能や予算、暮らし方、メンテナンスまで含めて選ぶこと

どちらを選んでも、正しく理解していれば大きな問題にはなりません。
ご自身の暮らし方に合った換気を、一緒に考えていきましょう。

Author Profile

渡邉 尚哉
渡邉 尚哉
オーパススタイル株式会社

2006年入社から家づくり一筋。資産活用の視点と注文住宅営業で300件以上の経験を活かし、不安や迷いに寄り添う“家づくりのパートナー”。性能や素材を総合的に考え、「どんな暮らしをしたいか」を一緒に描き、最適な提案を行う。VoicyやYouTubeでも発信中。

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