
中東情勢の影響による資材・設備の供給不安。
ニュースを見るたびに、「家づくり、このまま進めていいのかな」と不安に思う方、多いのではないでしょうか。
4月17日放送のVoicyでは、いま起きていることをどう受け止めて、どう動けばいいかをお話ししています。 さらに記事内では、工務店の選び方や家づくりの段階ごとの考え方、今だからこそ知ってほしい「時間に強い家」について深掘りしてお伝えします。一番伝えたいのは「とにかく焦らない」ということ。 一緒に整理していきましょう。

4月13日、中東情勢の影響によりTOTOがユニットバス・システムバスの新規受注を一時見合わせることを発表しました。このニュースが全国的に注目を浴び、「あ、これってうちにも関係してくるの?」と感じた方も多くいました。
実際、材料や設備は不安定な状況が続いています。だからこそ言いたいのは、「パニックにならないこと」が今いちばん大事だということです。
こういう時、インターネットにもYouTubeにもいろいろな情報があふれてきます。見ていると「もう大変なことになる!」「早く決めないと!」というトーンのものが目につくことも。
でも実際のところ、情報を発信している側も、本当のことを全部知っているわけじゃないんです。誰だって「今後どうなるか」を正確に言い切れる人はいない。ネガティブな見出しや言葉が注目を集めやすい、というのがインターネットの構造でもあります。
口コミやニュースをたくさん見ても、根本的な不安は解消されにくいんですよね。それどころか、情報が多すぎるほうが、かえって判断を鈍らせてしまいます。だから、情報の量を増やすことより、本質を見失わないことのほうが、今はずっと大切です。

「今すぐ決めないと材料が確保できない」「この日までなら価格据え置きです」。こういった急かし方をしてくる会社には注意が必要です。
そもそも請負契約とは、間取り・仕様・設備・金額、すべてが決まってから結ぶものです。 何も決まっていない段階で「とりあえず契約だけ先に」と促してくる会社は、業界の本来のあり方から外れています。
ブレーキをかけて、じっくり様子を見るのは、まったくおかしくない選択です。 今だからこそ、落ち着いて契約するようにしましょう。
今回のような情勢では、建築業界全体で資金繰りが苦しくなっている会社が出てきます。現場が動かない、材料の見通しが立たない、そうなると収入の流れが滞りやすくなります。最悪の場合、着工中に会社が倒産してしまうリスクもゼロではありません。
「この会社は大丈夫」という根拠が、担当者の言葉だけでなく、第三者機関など外部からも確認できるかどうか。それが判断材料になります。
家づくりのフェーズによって、今気にすべきことは変わってきます。
自分がどの段階にいるかを確認して、焦らず進んでいきましょう。
まず、様子を見ながら進めて問題ありません。
ただ、待っている間にも物価は動いていますし、そこからまた準備を始めると実際の着工は数年後になってしまうことも。「急いで決断してください」とも違いますが、「待てば好転する」とも言い切れないのが今の状況です。
家づくり打ち合わせには8ヶ月〜10ヶ月かかることも珍しくありません。 今から動き始めること自体は、決して焦りすぎではありません。
今のタイミングで特に気をつけてほしいのは、前の章でもお伝えした「契約を急かされること」です。請負契約は、すべてが決まってから結ぶものです。仕様も設備も金額も固まっていない状態で、「とりあえず」と押し切られないようにしてください。また、見積もりの有効期限や、資材価格が変動した場合の扱いについても、早い段階で確認しておくのがおすすめです。
未決定の設備や仕様がある場合、早めの確定が大切になります。
特にユニットバス・トイレ・キッチンなど水回り設備は、メーカーによっては受注の停止や納期の遅れが出ているケースがあります。
担当の会社に「発注は済んでいるか」を確認しておくと安心です。
すでに工事が始まっている方は、大きな心配をしすぎなくて大丈夫です。
ただ、一部の副資材や設備で予期せぬ納期遅れが生じる場合もゼロではありません。「何か変化があればすぐに教えてほしい」と担当者に伝えておくと、安心感が違います。

少し視点を変えてみましょう。
価格の波も、資材の供給乱れも、いずれ時間とともに過ぎていきます。でも、あなたが建てた家で暮らす時間は、その先何十年も続いていきます。
だからこそ、今こそ「時間に強い家」という目線を持ってほしいと思っています。
時間に強い家とは、
・物理的に長持ちする素材を使い
・流行に左右されない設計思想を持ち
・住む人の暮らしが変化しても馴染み続ける家のことです。
そして、
・修繕費やランニングコストが抑えられ
・資産としての価値も長く保たれる。
・人と家が融合しながら、暮らしとともに育っていく。
そういう家を私たちは「時間に強い家」と考えます。
家づくりでは「お金」の大切さは意識しやすいけれど、「時間」という概念は意外とおろそかになりがちです。でも家の価値は、時間と切り離せません。
一時の混乱に振り回されて選んだ家より、「時間に強い家」かどうかを軸に選んだ家のほうが、10年後・20年後に「あのとき正しい選択をした」と感じられるはずです。流行ではなく、長く暮らしても心地よさが続く家を選ぶ目線を、ぜひ持ち続けてください。
化学製品系の素材が値上がることで、価格差が縮まりつつある今、「じゃあ自分たちも無垢材を使おう」という会社が増えてくる可能性もあります。
ただ、素材を仕入れられることと、素材を使いこなせることは、まったく別の話です。無垢の木は、扱い慣れていないと、床に隙間が生じたり、反りや収縮への対応が難しかったりします。
素材の質だけじゃなく、その素材を長年使ってきた実績と技術がある会社かどうか。そこも含めて、家を建てる会社を見極める目線を持ってもらえたらと思います。
◾️不安定な今、焦らず、ネットの情報に惑わされず、本質を見失わないこと
◾️「今すぐ決めないと」と急かしてくる会社には乗らないこと
◾️請負契約は、すべてが決まってから結ぶもの
◾️財務的に信頼できる会社かどうか、第三者目線で確認すること
◾️自分が今どのフェーズにいるかを確認して、落ち着いて進めること
◾️流行ではなく「時間に強い家」を軸に、会社と素材を見極めること
先がわからないからこそ不安になるのは当たり前です。それだけ真剣に考えている証拠でもあります。
ただ、焦って動くことで、本来なら選ばなかった判断をしてしまうことがある。 刺激の強い言葉に振り回されず、「時間に強い家」を選ぶ目線を大切にしてください。そして、嵐のような時期でも、目指す場所はぶれない。 そういう家づくりを、一緒にやっていきましょう。

2006年入社から家づくり一筋。資産活用の視点と注文住宅営業で300件以上の経験を活かし、不安や迷いに寄り添う“家づくりのパートナー”。性能や素材を総合的に考え、「どんな暮らしをしたいか」を一緒に描き、最適な提案を行う。VoicyやYouTubeでも発信中。