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「無垢床材」とは、自然の木そのものを一枚板で使った床材のこと。木本来のぬくもりや香り、質感が感じられるのが特徴です。
一方、一般的に使われている床材は「合板フローリング」。薄い木材や合成素材を接着剤で貼り合わせたものです。表面に木の模様を印刷したり、天然木を薄くスライスした突板(つきいた)を貼り、まるで木のような見た目に仕上げます。
| 項目 | 無垢床 | 合板フローリング |
| 素材 | 天然の木を一枚板で使用 | 合成素材や薄い木材を接着し、 表面は印刷や突板 |
| 風合い | 自然で一枚一枚違う | 均一でパターン化 |
| 肌ざわり | 柔らかく温かみがある | 硬くて冷たさを感じやすい |
| 価格 | やや高め | 安価 |
| 伸縮 | 経年や湿度により膨張・収縮する | 伸縮は少なく安定している |
| 機能 | 調湿・断熱・香りなど自然の性能がある | 防音性・床暖房対応など機能が選べる |
| メンテナンス性 | 手入れ次第で長持ち | 10〜15年で張り替えが必要なこともある |

針葉樹の特徴は以下の通りです。
・木がまっすぐ育ち、年輪がはっきりしているのが特徴。日本の住宅で昔から使われてきた
・仮道管(かどうかん)という構造。木の中の90%以上がこの水を運ぶ細かな穴で構成されているため、多孔性(たこうせい=細かい穴)が高い
・多孔性が高く空気をたくさん含むことができるため断熱性が高く、冬でも床の冷たさを感じにくい
・木がやわらかくて軽いため、足触りが良く、足腰にもやさしい
・傷がつきやすいが、小さな傷の場合修復可能
・フィトンチッド(天然のリラックス成分)を多く含み、香りが豊かで癒される空間になる
針葉樹の無垢床は、柔らかく足触りが良いため、小さなお子さんやペットがいるご家庭、自然素材にこだわりたい方におすすめです。

紅葉樹の特徴は以下の通りです。
・広葉樹は、木の幹が太くなりやすく、硬くて重く重厚感がある
・木が硬いため、キズがつきにくい
・木の構造が複雑で、樹木の成分によって表情が変わる
・節が少なく、均一な見た目にしやすく、高級感がある
・落ち着いた雰囲気を演出でき、モダンな空間やインダストリアル系のデザインにも合う
広葉樹の無垢床は、キズが気になる方、スタイリッシュな空間を求める方に向いています。


無垢床は、一枚一枚の木目や節がすべて違います。その自然な模様が美しくやさしい気持ちにしてくれます。これは、量産された合板フローリングには出せない味わいです。
また、室内で木が見える面積の割合、「木視率(もくしりつ)」が高い空間は、安心感があります。木目のある空間にいるだけでホッとできるのは、視覚からくるリラックス効果があるから。床だけでも無垢材を選ぶだけで、部屋全体の印象がやわらかくなります。
さらに床は、流行に左右されにくく、どんなインテリアにもなじみ、年数が経っても古く感じにくい。むしろ、時間とともに深みを増し、味わいが出てくるのも魅力です。

無垢床を採用されたご施主様からは、よく「素足で歩くのが気持ちいいから、ついつい裸足になっちゃいます。」という嬉しいお声をいただきます。無垢床は、合板フローリングのような冷たさがなく、ベタつく感じもありません。ほんのりとあたたかく、やさしい弾力があります。
その理由のひとつが、木が持つ“多孔性(たこうせい)”です。これは、目には見えない小さな穴がたくさん空いており、そのため空気をたっぷり含みます。だからこそ、断熱性が高くなり、冬でも床が冷たく感じにくいのです。
さらに、この多孔性によって“吸放湿性(きゅうほうしつせい)”も高まります。湿気が多い時期は空気中の水分を吸い、乾燥しているときは放出してくれる。だから、夏でもベタつかず、サラッとした足触りが続きます。

施工直後はもちろん、何年経ってもほんのりと木の香りが残るのが無垢材の魅力。まるで森林浴をしているような自然でやさしい香り包まれます。
その香りの元となっているのが「フィトンチッド」という成分です。これは、植物が害虫や菌から自らを守るために発する揮発性の天然物質で、抗菌・防虫作用があるとされています。フィトンチッドは空気中に拡散されることで、私たち人間にも影響を与え、リラックス効果やストレス軽減に役立つといわれています。

無垢床は、年月を経ることで色が深まり、ツヤが出てきます。新品のようなピカピカの状態から、少しずつ落ち着いた色に変わっていく──それは“劣化”ではなく“味わい”です。
また、無垢床の中でも針葉樹はやわらかい木材のため、物を落としたりすると小さなへこみやキズがつくこともありますが、それも時間とともに馴染んでいきます。気になる場合は、濡らした布を当てた上から数秒間アイロンを何度かあてると、ある程度元に戻る性質もあります。
そして、無垢材は耐久性にも優れています。実際に、日本の古民家や寺社仏閣など、数百年にわたって使われている建物にも多くの無垢材が使われており、 “世代を超えて”使える素材です。
| 魅力 | 内容 |
| 見た目が美しい | 木の個性が感じられ、温かみがある |
| 肌ざわりが良い | 冷たかったり、ベタつかず素足でも心地よい |
| 香りが良い | 自然の香りに癒される空間になる |
| 調湿・断熱性がある | 夏はサラッと冬はあたたかい |
| 経年変化を楽しめる | 時が経つほどに味が出てくる「経年美化」が楽しめる |
| 健康面でも安心 | 化学物質を含まない素材で、アレルギーや化学過敏症にも配慮 |

杉は日本を代表する「針葉樹」で、成長が早く、比較的手に入りやすい素材としても知られています。そして、最近ではオーパススタイルが建てる家の多くでは、国産の杉材を採用しています。これは、日本の風土に合った木材を使うことが、家の性能を高めるだけでなく、経年変化にも強い家になると考えているからです。
杉の無垢材は、見た目の柔らかさだけでなく、実際に素足で歩いたときの感触がとても心地よいです。木の柔らかさによって、膝や腰への負担も少なく、特にお子さまや高齢の方がいるご家庭から「歩いていて気持ちいい」「ごろんと寝転がれる」といったお声をよくいただきます。
さらに、杉の香りにもフィトンチッドによるリラックス効果があり、アロマのような自然な香りが家中にほんのり広がります。私たちが建てる家では、玄関を開けた瞬間に「木の香りがして落ち着く」と言ってくださる方が多く、それも杉の魅力のひとつです。
杉は針葉樹のため、節があり気にされるお客様もいらっしゃいます。そんな時は、設計士と大工の腕の見せどころ。あえて見せるように配置したり、家具や建具とデザインを揃えたりすることで、空間に統一感とあたたかみを出すように配慮します。
オーパススタイルでは、長年にわたり様々な無垢の床材を取り扱っている経験を活かし、杉以外のご提案もできます!理想のお家づりくを叶えるため、お気軽にご相談ください。

注意点① 時間と共に隙間が出ることがあります。
無垢材は季節によって湿気を吸ったり吐いたりする「呼吸する素材」です。そのため、夏は膨張して冬は収縮する内に、小さな隙間が生まれることもあります 。これは素材の特性として自然な現象であり、欠陥ではありません。
【これで解決!】施工前にしっかり確認しよう
隙間ができても目立ちにくいよう、板の幅や張り方を工夫したり、施工前にしっかりと乾燥させた材料を使うことで、変化を最小限に抑えられます。施工する工務店・建築会社に確認しましょう。
注意点② 天然木には節(ふし)があります。
特に針葉樹は目立ちやすいです。自然な表情として好まれることもあれば、気になる方もいらっしゃいます。
【これで解決!】節も自然の味わい。でも、気になる場合は工務店・建築会社に相談しよう
計画時に、節が目立たない材やグレード(節の多さ・大きさ)もあります。自分の好みを工務店・建築会社に伝えましょう。
注意点③ 工業製品とは違い自然の木は施工が難しい。
一枚一枚、木の状態が違うため、熟練した職人の丁寧な施工が必要です。そのため、合板に比べて工期が延びることや、無垢床材を取り扱わない会社もあります。
【これで解決!】施工経験が豊富な工務店や建築会社を選びましょう
オーパススタイルでは、木の個性を理解した熟練した職人が丁寧に対応するため、安心してお任せていただけます。
注意点④ 初期費用としては、量産型の合板フローリングより金額がやや高くなります。
【これで解決!】長期で見るとコストパフォーマンスは高い
無垢材は長持ちし、張り替えの頻度が少なくて済むため、長期的にはコストパフォーマンスが良くなります。また、調湿・断熱・香りなど、合板にはない快適性を総合的に判断されることをおすすめします。
注意点⑤ 定期的なメンテナンスが必要
無垢床は、半年に1回程度の定期的なオイル塗装や小さな傷の補修といったメンテナンスが必要です。
【これで解決!】メンテナンスもイベントとして捉えて楽しもう
無垢材は、メンテナンスを行うことで長く使い続けられる素材です。一方、合板フローリングは手入れの手間は少ないものの、劣化が進むと張り替えが必要になります。どちらもノーメンテナンスで永く使える素材ではないため、暮らし方に合った選択が大切です。
ただ、オーパススタイルがおすすめする杉の無垢床は、実は特別な手入れを続ける必要はほとんどありません。最初の1〜2年は木の成分による汚れがつきやすいため、初期にオイルや蜜蝋ワックスで整えていただきたいですが、その後は自然に馴染んでいきます。10年以上経った無塗装の杉床でも問題なく、時間とともに味わいが深まっていくのが魅力なんです。