こんにちは。伊藤です。
先日、京都の苔寺(西芳寺)に行ってきました。
京都もいろんなところへ出掛けてますが、「苔寺」は格別でしたね。
一言で言うと圧巻です!!!
あらためて苔寺を題材に「普遍的な美」と建築おいての美意識を考えてみようかと。
苔寺に入った時に感じた圧倒的な感動は、この空間が
無限とも思える時間の蓄積と流れを感じさせてくれたことです。
苔寺の苔は、とんでもない長い年月をかけて少しずつ積み重なり、
空間全体に「時間の層」を感じさせてくれます。
これは建築において、素材が経年変化して美しくなること(木、土、真鍮、銅など)にも
繋がってきます。
新築完成時よりも「年月を経た姿」が完成形になる建築を目指すという考え方もあるかと。
ここはまさに老朽化や劣化ではなく、「時間がつくった風景」。
常に更新される現代世界を生きている我々には考えさせられますね〜
自然との調和という点でも、建築と結びつくかと。
苔寺の庭は人間の手によって造られた庭です。
苔寺の庭では、緑・木・石・水・苔・光・影が一体となり、
人間が造ったものでありながら自然の摂理に従っています。
あらためて自分も自然の一部であると感じると
自然に身を委ねる大切さが普遍的な美を生んでいることにも気付かされます。
それが過剰な装飾や情報を排し、一見何もない空間に「間(ま)」と「余白」を
与えているんだろうなぁと。
「間」と「余白」。建築で意識している部分ですが、とても奥が深い・・・
あと、ここをいつも「美」を考えるときのテーマにしてるのですが
それが不完全さの肯定。つまり「不均質の美(わび・さび)」です。
出ました!わび・さび!笑
苔の生え方は均質ではなく、むしろムラや不揃いです。
苔のムラ、石の歪み、湿り気、曇った光。この完璧ではない不完全さに
私は強く心を動かされたんだと思います。
家づくりにおいても、完璧な仕上げよりも、職人の手仕事の痕跡が残ったり、
便利性・機能性に偏らず、「ゆらぎ」や「不揃い」を取り込むことも
「普遍的な美」の世界には大切なことだなぁと。
京都、苔寺(西芳寺)。超おすすめです。一度は是非!!!