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STAFF BLOG
スタッフブログ

2024/7/12

光と陰、陰翳礼讃

こんばんは。オーパススタイルの伊藤です。

なんかかっこいいですよね。「陰翳礼讃」って表現。

ちょっと言いたいだけ・・・ってのもあるんですが

さて今回は、先日京都に行ってきた件も踏まえ、

「光と陰の表現」についてお話ししたいと思います。

今回の京都研修の、数あるお題の一つが建築の認識力を強化する目的での

「陰影を学ぶ」というものでした。

日本の建築ははるか昔から「陰の世界」を主体としてきました。

我々のバイブルに、谷崎潤一郎の随筆「陰翳礼讃」があります。

光と陰がつくる世界を目で見て学ぶにはとても良い本です。

建築関係で読んだことない・・・なんて人はいないはずですが・・・

その本の中にもありますが、我々日本人は暗がりの中で暮らしを営み、

わずかに差し込む太陽の光や室内の行灯などの淡い「光」によって生み出される

仄かな暗さや、陰影の美しさを楽しんできました。

仄か(ほのか)って表現がいいですね。

ただ、明るい。ただ暗い。ということだけではなく、私も自然光と素材のつくる

仄暗い陰影がいかに美しいかということを、京都の建物でたくさん見ることができました。

特に見てきた町屋は、中庭(坪庭)が大小二つあり、それぞれの光の入り方が異なって

とても豊かな、陰影の世界がそれぞれのお部屋につながっていました。

なんとなく心にグッとくるものがありました。

初めは少し暗いかな・・・

と感じても少しずつ目が慣れてきて、とても落ち着き心地よく感じます。

これを「暗順応」と呼ぶそうですが、これを写真におさめるという修行も同時敢行してました。

この本の言いたいことは、西洋的な部屋を明るく明るくの考え方ではなく

「陰をつくりましょう。その陰を中心とした世界を楽しみましょう」

ということなのですが、今回の研修で少しだけ理解できた気がしました。

気がしただけかもしれませんが・・・

みなさんも是非「光と陰」を意識して建築に触れてみてくださいね。

何か感じるかも。

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